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メタCセキュリティ物語 ~アクセス制御技術編~

この記事は、セキュリティ資格学習のために、AI(Claude)と共同で作成したコンテンツです。
※間違った解釈がある可能性があります。

目次

この記事の目的

セキュリティの専門用語は、カタカナや略語が多く、初学者にとって非常に取っつきにくいものです。
そこで、専門家じゃなくてもわかるようにストーリー風に構成してみました。

 

📍 結城の新たな作戦

マンションを追い出され、SNMP攻撃も失敗した結城は、自室で次の攻撃を計画していた。

「もう、情報収集だけじゃダメだ…今度は直接メタCのサーバーに侵入する」

結城の画面には、メタCのネットワーク構成図が表示されている。

「メタCは、外部からの攻撃を防ぐために、いくつものセキュリティ機器を設置してるはず…でも、完璧な防御なんてない。必ず穴がある」

結城は、攻撃計画を書き出した。

【攻撃計画】
1. ポートスキャンでファイアウォールの穴を探す
2. Webアプリケーションの脆弱性を突く(SQLインジェクション)
3. IDSを回避しながら侵入
4. サーバーの管理者権限を奪取
5. ユーザー情報を盗む

「今度こそ…山本とお砂糖の個人情報を全部手に入れる。そして、二人の関係をめちゃくちゃにしてやる…」

結城の目が、不気味に光った。


💑 カフェでのひととき

その頃、慎也と里見は、メタC内のカフェワールドでお茶をしていた。

「ねぇ、里見。最近、メタCのセキュリティが強化されたって聞いたけど、何が変わったの?」

慎也が興味深そうに聞く。

「うん、実はね、結城の一連の攻撃を受けて、佐藤さんたちがネットワークセキュリティ機器を大幅に強化したの」

「ネットワークセキュリティ機器?」

「そう。ファイアウォールIDS/IPSWAFUTM…いろんな『門番』を配置して、多層防御してるのよ」

「門番…?」

「うん。お城を想像してみて。お城を守るために、いろんな防御があるでしょ?」

里見が説明を始めた。

📖 里見の解説:ネットワークセキュリティの多層防御

多層防御(Defense in Depth:ディフェンス・イン・デプス)

「セキュリティの基本は、1つの防御に頼らないこと。複数の防御を重ねることで、1つ突破されても次の防御が守るの」

お城の例

【お城の多層防御】
外堀 → 城壁 → 内堀 → 城門 → 天守閣

ネットワークの多層防御

【ネットワークの多層防御】
ファイアウォール → IDS/IPS → WAF → サーバー本体

「それぞれの『門番』が、違う役割を持ってるの。今から詳しく説明するね」

🔥 第1の門番:ファイアウォール

ファイアウォール(Firewall:防火壁)

「ファイアウォールは、ネットワークの最前線の門番よ」

役割

  • 外部ネットワークと内部ネットワークの境界に設置
  • 許可されていない通信をブロック
  • 「通してもいい通信」と「ダメな通信」を判断

身近な例え

「マンションの入口にいる警備員さんみたいなもの。『住民と訪問者はOK、不審者はNG』って判断して通す人」

「なるほど!でも、どうやって判断するの?」

「それがね、ファイアウォールにもいくつかの種類があって、判断方法が違うの」


パケットフィルタリング型

「最も基本的なファイアウォール。パケット(データの小包)の宛先を見て判断するの」

チェック項目

  • 送信元IPアドレス:どこから来た?
  • 宛先IPアドレス:どこ行き?
  • ポート番号:何番ポート?
  • プロトコル:TCP?UDP?

身近な例え

「郵便配達員さんが、封筒の宛先だけ見て『この住所はOK、この住所はNG』って判断するようなもの。中身は見ない」

ルールの例

ルール1:社内ネットワーク(192.168.1.0/24)からのアクセスは全て許可
ルール2:外部からTCPポート80(HTTP)へのアクセスは許可
ルール3:外部からTCPポート22(SSH)へのアクセスは拒否
ルール4:それ以外は全て拒否

メリット

  • 処理が速い
  • シンプルで分かりやすい

デメリット

  • パケットの中身は見ない(悪意ある内容でも通過)
  • 通信の流れ(セッション)を理解しない

ダイナミックパケットフィルタリング

「パケットフィルタリングの改良版。動的にルールを追加・削除するの」

仕組み

  1. 内部から外部への通信を許可
  2. その返信用のルールを一時的に自動作成
  3. 通信が終わったらルールを削除

身近な例え

「レストランで『2人です』って言ったら、店員さんが2人分の席をその場で用意してくれて、食事が終わったら片付けるようなもの」

1. 社内PCが外部サーバー(8.8.8.8)にアクセス
   → ファイアウォールが「8.8.8.8からの返信を許可」ルールを自動追加

2. 外部サーバーから返信が来る
   → ルールがあるので通過

3. 通信終了
   → ルールを自動削除

メリット

  • セキュリティが向上(必要なときだけ穴を開ける)
  • 管理者がいちいちルールを書かなくていい

ステートフルパケットインスペクション(SPI)

「さらに賢い方式。通信の状態(State:ステート)を記憶して判断するの」

チェック内容

  • この通信は、正当な手順で開始された?
  • 過去のパケットとの関連性は?
  • 通信の流れ(セッション)は正しい?

身近な例え

「ホテルのフロントで、『501号室のお客様ですか?』って聞いて、チェックイン記録と照合してから鍵を渡すようなもの。単に『501号室』って言っただけじゃダメ」

具体例:TCPスリーウェイハンドシェイク

【正常な通信】
1. クライアント → サーバー:SYN(接続したいです)
2. サーバー → クライアント:SYN-ACK(OKです)
3. クライアント → サーバー:ACK(ありがとう)
→ SPIは「正しい手順だ」と判断して通す

【異常な通信】
1. 攻撃者 → サーバー:ACK(いきなり3番目から!)
→ SPIは「手順がおかしい」と判断してブロック

メリット

  • 不正な通信を高精度で検知
  • なりすまし攻撃を防げる
  • 現在の主流方式

デメリット

  • 処理が複雑(CPUパワーが必要)
  • パケットの中身(アプリケーション層)は見ない

アプリケーションゲートウェイ型

「最も高度なファイアウォール。パケットの中身まで見るの」

仕組み

  • ファイアウォールがプロキシ(代理人)として動作
  • クライアントとサーバーの間に入って、両方の通信を代行
  • 中身を解析してから転送

身近な例え

「通訳さんみたいなもの。日本人と外国人が直接話すんじゃなくて、通訳さんが間に入って『この内容は問題ないな』って確認してから伝えるの」

動作の流れ

1. クライアント → ゲートウェイ:「Webサイトを見たい」
2. ゲートウェイが内容をチェック:
   - HTTPリクエストは正しい形式?
   - 怪しいコマンドは含まれていない?
   - URLは許可リストにある?
3. 問題なければ、ゲートウェイ → サーバー:リクエストを転送
4. サーバー → ゲートウェイ:レスポンスを返す
5. ゲートウェイが内容をチェック:
   - ウイルスは含まれていない?
   - 機密情報は漏れていない?
6. 問題なければ、ゲートウェイ → クライアント:レスポンスを転送

チェック内容(例:HTTP)

  • HTTPメソッドは許可されたもの?(GET、POSTなど)
  • URLに怪しい文字列はない?(../など)
  • Content-Typeは適切?
  • ファイルの拡張子は許可されたもの?

メリット

  • アプリケーション層の攻撃も防げる
  • 詳細なログが取れる
  • コンテンツフィルタリングが可能

デメリット

  • 処理が重い(遅くなる)
  • プロトコルごとに専用のゲートウェイが必要
  • 設定が複雑

🛡️ 第2の門番:WAF(Web Application Firewall)

WAF(ワフ)

「WAFは、Webアプリケーション専用のファイアウォールよ」

役割

  • Webアプリケーションへの攻撃を防ぐ
  • SQLインジェクション、XSS(クロスサイトスクリプティング)などを検知
  • 通常のファイアウォールでは防げない攻撃に対応

通常のファイアウォールとの違い

【通常のファイアウォール】
「このポートは許可、このIPは拒否」← ネットワーク層の判断

【WAF】
「このHTTPリクエストは怪しい、このSQLコマンドは危険」← アプリケーション層の判断

身近な例え

「空港のセキュリティチェックみたいなもの」

  • 通常のファイアウォール:「チケットを持ってる人だけ通す」(入口の係員)
  • WAF:「手荷物の中身をX線で検査」(セキュリティゲート)

検知できる攻撃例

1. SQLインジェクション

【正常なリクエスト】
https://example.com/login?user=yamamoto&pass=1234

【攻撃】
https://example.com/login?user=admin' OR '1'='1&pass=dummy
→ WAFが「'(シングルクォート)」や「OR」などの怪しい文字列を検知してブロック

2. XSS(クロスサイトスクリプティング)

【攻撃】
<script>alert('攻撃!')</script>
→ WAFが「<script>」タグを検知してブロック

3. パストラバーサル

【攻撃】
https://example.com/file?name=../../etc/passwd
→ WAFが「../」を検知してブロック

WAFの配置場所

インターネット → ファイアウォール → WAF → Webサーバー

メリット

  • アプリケーションのバグを突く攻撃を防げる
  • アプリ側を修正しなくても防御できる
  • 攻撃のログが詳細に残る

デメリット

  • 誤検知(正常な通信をブロック)の可能性
  • チューニングが必要
  • 処理が重い

🔍 第3の門番:IDS/IPS

IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)

「IDSは、不正な通信を検知して警告するシステムよ」

役割

  • ネットワークやホスト(サーバー)を監視
  • 怪しい通信やアクセスを見つけたら管理者に通知
  • ブロックはしない(検知のみ)

身近な例え

「防犯カメラと警備員みたいなもの。不審者を見つけたら『怪しい人がいます!』って通報するけど、その場で捕まえたりはしない」


IPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)

「IPSは、IDSの進化版。検知だけじゃなくて、ブロックもするの」

役割

  • 不正な通信を検知
  • 自動的にブロック
  • リアルタイムで防御

身近な例え

「警備員さんが、不審者を見つけたらその場で取り押さえるようなもの」

IDSとIPSの違い

【IDS】
検知 → 通報 → 管理者が対応(受動的)

【IPS】
検知 → 自動ブロック(能動的)

NIDS(Network-based IDS:ネットワーク型IDS)

「NIDSは、ネットワーク全体を監視するタイプのIDSよ」

特徴

  • ネットワークの途中に設置
  • 流れるパケットを全部チェック
  • 複数のサーバーを一度に監視できる

身近な例え

「交差点に設置された防犯カメラ。通る車全部を監視してる」

設置場所

インターネット → ファイアウォール → [NIDS] → 社内ネットワーク
                                    ↓
                                  監視

HIDS(Host-based IDS:ホスト型IDS)

「HIDSは、サーバー1台1台に入れるタイプのIDSよ」

特徴

  • サーバーにソフトウェアとしてインストール
  • そのサーバーのログ、ファイル、プロセスを監視
  • 暗号化通信の中身も見れる

身近な例え

「各部屋に設置された防犯カメラ。その部屋の中だけを詳しく監視」

監視内容

  • ログイン試行の監視
  • ファイルの改ざん検知
  • プロセスの監視
  • システムコールの監視

NIDSとHIDSの使い分け

【NIDS】
・ネットワーク全体を監視
・設置が簡単(1台で全体を見れる)
・暗号化通信は中身が見えない

【HIDS】
・サーバー個別に監視
・設置が大変(全サーバーに必要)
・暗号化通信も中身が見れる

「理想は両方使うこと。NIDSで外部からの攻撃を監視して、HIDSで内部の異常を監視するの」


IDS/IPSの動作モード

「IDS/IPSには、2つの設置方法があるの」

1. インラインモード(In-Line Mode)

設置方法:通信経路の途中に設置

クライアント → [IPS] → サーバー
           全通信が必ず通る

特徴

  • 全ての通信がIPS を通過
  • リアルタイムでブロック可能
  • IPSでよく使われる

身近な例え

「高速道路の料金所。必ず全ての車が通る場所にいるから、怪しい車をその場で止められる」

メリット

  • 攻撃を即座にブロック
  • 確実に防御できる

デメリット

  • IPS が止まると通信も止まる(単一障害点)
  • 処理が遅いと通信速度が落ちる

2. プロミスキャスモード(Promiscuous Mode)

設置方法:通信経路のに設置(傍受)

クライアント → サーバー
        ↓コピー
      [IDS]
     (監視のみ)

特徴

  • 通信のコピーを受け取って監視
  • ブロックはできない(検知のみ)
  • IDSでよく使われる

身近な例え

「道路脇の監視カメラ。車は普通に通り過ぎるけど、録画して後で確認できる」

メリット

  • 通信速度に影響しない
  • IDS が止まっても通信は続く
  • 導入が簡単

デメリット

  • リアルタイムでブロックできない
  • 攻撃を検知しても、すでに侵入されている

使い分け

  • IDS + プロミスキャスモード:ログ取得、分析用
  • IPS + インラインモード:実際の防御用

🎯 第4の門番:UTM(Unified Threat Management)

UTM(ユーティーエム)

「UTMは、全部入りセキュリティ機器よ」

正式名称:Unified Threat Management(統合脅威管理)

役割

  • ファイアウォール
  • IDS/IPS
  • アンチウイルス
  • アンチスパム
  • Webフィルタリング
  • VPN

これら全部を1台に統合

身近な例え

「スマホみたいなもの。電話、カメラ、音楽プレイヤー、ゲーム機…全部1台に入ってる」

メリット

  • 管理が楽(1台で全部できる)
  • コストが安い(個別に買うより)
  • 設定が統一される
  • 中小企業に最適

デメリット

  • 1台に集約されるので、壊れたら全機能停止(単一障害点)
  • 大規模ネットワークには性能不足
  • 専用機器より性能が劣る場合がある

使い分け

  • 中小企業:UTMで十分
  • 大企業:専用機器を組み合わせる

📊 各セキュリティ機器の比較

「それぞれの機器の違いをまとめるとこうなるわ」

機器 役割 判断基準 ブロック
ファイアウォール 境界防御 IP、ポート、プロトコル ✅ あり
WAF Webアプリ保護 HTTPリクエストの内容 ✅ あり
IDS 侵入検知 攻撃パターン ❌ なし(通知のみ)
IPS 侵入防止 攻撃パターン ✅ あり
UTM 統合管理 上記全て ✅ あり

配置順序

インターネット
    ↓
[ファイアウォール] ← 最前線(IP/ポートで判断)
    ↓
[IPS] ← 攻撃パターンで判断
    ↓
[WAF] ← Webアプリへの攻撃を判断
    ↓
Webサーバー
    ↓
[HIDS] ← サーバー内部を監視

⚠️ 結城の攻撃開始

その夜、結城は攻撃を開始した。

ステップ1:ポートスキャン

結城:「メタCのサーバー 203.0.113.100 をスキャン…」

# Nmapでポートスキャン
結果:
- TCPポート80(HTTP):開放
- TCPポート443(HTTPS):開放
- TCPポート22(SSH):閉鎖(ファイアウォールでブロック)
- TCPポート3306(MySQL):閉鎖(ファイアウォールでブロック)

「やっぱり、SSHとMySQLは外部から直接アクセスできないようにしてる…でも、WebサーバーのポートはI開いてる。ここが狙い目だ」

ステップ2:Webアプリケーションの脆弱性探し

結城:「ログインページで SQLインジェクションを試す…」

# SQLインジェクション攻撃
URL:https://meta-c.com/login?user=admin' OR '1'='1'--&pass=dummy

結果:【WAFによってブロック】
HTTP 403 Forbidden
「This request has been blocked for security reasons.」

「くそっ!WAFが入ってる…SQLインジェクションは通らない」

ステップ3:IPS回避を試みる

結城:「攻撃をゆっくり、少しずつ変えながら送ってみる…」

# スロースキャン(ゆっくり攻撃)
結果:【IPSによって検知】

[IPSログ]
2025-01-03 22:15:30 - Slow Scan Detected from 203.0.113.99
2025-01-03 22:15:31 - IP Address 203.0.113.99 Blocked for 24 hours

「ダメだ…IPSも入ってる。しかも、IPごとブロックされた…」


🔍 佐藤の対応

メタCのセキュリティ監視室。佐藤が異常を検知した。

「来たな…また結城だ」

[セキュリティログ]
22:10:15 - Port Scan Detected (Firewall Log)
22:15:20 - SQL Injection Attempt Blocked (WAF Log)
22:15:30 - Slow Scan Detected (IPS Log)
22:15:31 - IP 203.0.113.99 Blocked

「ファイアウォール、WAF、IPS…全部が連携して攻撃を防いでる。多層防御が機能してる」

佐藤は、すぐに追加対策を実施した。

追加対策

  1. 該当IPを完全ブロック(全サービスで)
  2. WAFのルールを強化(新しい攻撃パターンを追加)
  3. ログ監視を強化(リアルタイムアラート)
  4. 警察に通報(サイバー犯罪対策課)

「これで、結城はもうメタCに近づけない」


💑 安堵のひととき

攻撃が阻止された翌日、慎也と里見はメタCのプライベートワールドで話していた。

「里見、また結城の攻撃があったって聞いたけど、大丈夫だった?」

「うん、大丈夫。佐藤さんたちが完璧に防いでくれたわ」

「すごいね…ファイアウォール、WAF、IDS、IPS…全部が連携して守ってくれたんだね」

「そう。多層防御の力よ。1つの防御じゃ突破されるかもしれないけど、何層も重ねれば、攻撃者は疲れちゃうの」

「お城の防御と同じだね。外堀、城壁、内堀、城門…全部突破するのは無理だもんね」

「その通り!慎也、理解が早いわ」

里見が嬉しそうに微笑んだ。

「ねぇ、里見。今回学んだこと、僕の会社でも活かせるかな?」

「もちろん!小さい会社なら、まずはUTMを1台導入するのがオススメよ。それだけで、かなり守れるから」

「UTM、全部入りのやつだよね。今度、上司に提案してみる!」

「素晴らしいわ。あと、大事なのはログをちゃんと見ること。機器を入れただけじゃダメ。異常を検知したら、すぐに対応しないと」

「うん、分かった。里見がいてくれて、本当に助かるよ」

「こちらこそ。慎也は、私の話を真剣に聞いてくれるから嬉しいわ」

二人は手を繋ぎながら、夜空を見上げた。

「結城の攻撃、これで本当に終わりかな?」

「どうかしら…でも、もう警察も動いてるし、技術的にもほぼ完全にブロックできてるから、大丈夫だと思うわ」

「うん、里見と一緒なら、どんな攻撃も乗り越えられる気がする」

「ありがとう。じゃあ、次はもっと高度なセキュリティ技術を学びましょうか」

「うん、楽しみ!」


😤 結城の限界

一方、結城は自室で完全に行き詰まっていた。

「くそっ…もう何も通らない。ファイアウォール、WAF、IPS…全部に阻まれた」

画面には、「403 Forbidden」「Access Denied」「IP Blocked」の文字が並んでいた。

「お砂糖…あなた、本当に優秀ね。DNS、DHCP、SNMP、そして今回のネットワーク侵入…全部対策された」

結城のメールボックスに、警察からの呼び出し状が届いていた。

「不正アクセス禁止法違反、電子計算機損壊等業務妨害罪の疑い…出頭を求める…」

結城の顔が青ざめた。

「もう…本当に終わりなの…?」

結城の長い復讐劇は、ついに終わりを迎えようとしていた。


📚 用語まとめ

用語 読み 意味・用途
ファイアウォール Firewall 外部と内部ネットワークの境界に設置し、不正な通信をブロックする機器。
パケットフィルタリング Packet Filtering IPアドレス、ポート番号、プロトコルを見て通信を許可/拒否する基本的な方式。
ダイナミックパケットフィルタリング Dynamic Packet Filtering 通信の状態に応じて、動的にルールを追加・削除する方式。
ステートフルパケットインスペクション(SPI) Stateful Packet Inspection 通信の状態(セッション)を記憶し、正当な手順かを判断する方式。現在の主流。
アプリケーションゲートウェイ型 Application Gateway パケットの中身(アプリケーション層)まで解析するファイアウォール。プロキシとして動作。
WAF ワフ(Web Application Firewall) Webアプリケーション専用のファイアウォール。SQLインジェクション、XSSなどを防ぐ。
IDS アイディーエス(Intrusion Detection System) 侵入検知システム。不正な通信を検知して管理者に通知する。ブロックはしない。
IPS アイピーエス(Intrusion Prevention System) 侵入防止システム。不正な通信を検知して自動的にブロックする。
NIDS エヌアイディーエス(Network-based IDS) ネットワーク型IDS。ネットワーク全体を監視する。
HIDS エイチアイディーエス(Host-based IDS) ホスト型IDS。各サーバーにインストールして、そのサーバーを監視する。
インラインモード In-Line Mode IPS/IDSを通信経路の途中に設置し、全通信を通過させる方式。リアルタイムでブロック可能。
プロミスキャスモード Promiscuous Mode IPS/IDSを通信経路の横に設置し、通信をコピーして監視する方式。ブロックはできない。
UTM ユーティーエム(Unified Threat Management) 統合脅威管理。ファイアウォール、IPS、アンチウイルスなど複数のセキュリティ機能を1台に統合した機器。
多層防御 Defense in Depth 複数のセキュリティ対策を重ねて、1つが突破されても次の防御で守る考え方。
SQLインジェクション SQL Injection Webアプリケーションの入力欄に不正なSQLコマンドを入力して、データベースを不正操作する攻撃。
XSS クロスサイトスクリプティング(Cross-Site Scripting) Webサイトに悪意のあるスクリプトを埋め込み、閲覧者のブラウザで実行させる攻撃。
パストラバーサル Path Traversal 「../」などを使って、本来アクセスできないディレクトリのファイルにアクセスする攻撃。

🎯 試験対策ポイント

ファイアウォールの種類(超重要!)

種類 判断基準 中身を見る? セッション管理
パケットフィルタリング IP、ポート、プロトコル ❌ 見ない ❌ なし
ダイナミック 上記 + 動的ルール ❌ 見ない ⚠️ 簡易
SPI 上記 + 通信状態 ❌ 見ない ✅ あり
アプリケーションGW アプリ層の内容 ✅ 見る ✅ あり

IDS vs IPS

項目 IDS IPS
検知 ✅ する ✅ する
ブロック ❌ しない ✅ する
設置場所 通信経路の横(プロミスキャス) 通信経路の途中(インライン)
対応 管理者が手動対応 自動対応
通信への影響 なし あり(遅延の可能性)

NIDS vs HIDS

項目 NIDS HIDS
監視範囲 ネットワーク全体 個別のサーバー
設置数 少ない(1台で広範囲) 多い(各サーバーに必要)
暗号化通信 中身が見えない 中身が見える
監視内容 ネットワークパケット ログ、ファイル、プロセス

各機器の役割分担

  • ファイアウォール:外部からの不正アクセスをブロック(IP/ポートレベル)
  • WAF:Webアプリへの攻撃をブロック(HTTPレベル)
  • IPS:攻撃パターンを検知してブロック(シグネチャベース)
  • IDS:攻撃を検知して通知(監視専門)
  • UTM:上記すべてを1台で実現

頻出問題パターン

問題1:「通信の中身まで検査するファイアウォールはどれか?」

 アプリケーションゲートウェイ型

問題2:「通信のセッションを管理するファイアウォールはどれか?」

 ステートフルパケットインスペクション(SPI)

問題3:「SQLインジェクション攻撃を防ぐのはどれか?」

 WAF

問題4:「不正アクセスを検知するが、ブロックはしないのはどれか?」

 IDS

問題5:「通信経路の途中に設置して、リアルタイムでブロックするのはどれか?」

 IPS(インラインモード)


🎓 語呂合わせ・暗記法

ファイアウォールの進化

「パダステアプ」

  • :パケットフィルタリング
  • :ダイナミック
  • ステ:ステートフル(SPI)
  • アプ:アプリケーションGW

IDS vs IPS

「IDSは検知のみ、IPSは防止もする」

  • Detection(検知)← 通知だけ
  • Prevention(防止)← ブロックもする

NIDS vs HIDS

「NはNetwork(広い)、HはHost(狭い)」

インラインとプロミスキャス

「インラインは『イン』だから中に入る、プロミスキャスは『プロ』だから横で見守る」


💡 補足:実際の企業での使われ方

小規模企業(従業員50名以下)

  • UTM 1台でほぼ全てをカバー
  • コストを抑えられる
  • 管理が簡単

中規模企業(従業員50〜500名)

  • ファイアウォール + IPS + WAF
  • 役割ごとに専用機器を配置
  • 冗長化(2台体制)も検討

大規模企業(従業員500名以上)

  • 多層防御の完全構築
  • ファイアウォール、IPS、WAF、NIDS、HIDS すべて導入
  • 冗長化、負荷分散
  • 24時間監視体制
  • SOC(Security Operation Center)設置